前回の【1、「絶望」から「再び生きる」~ペップトークとの出会い~】で、
ペップトークの言葉の力に出会い再び生きようと決めた私でしたが、すぐに前向きな生き方ができたわけではありませんでした。
待っていたものは病名がわからないまま徐々に進行し、足の筋力が衰えて今までできていたことがどんどんできなくなってきたという現実でした。
特に神経が誤作動しているかのように起こる突然のこむらあがりの痛みで夜中何度も目が覚めていました。
主人と娘が寝息を立て眠っている横で、泣きながらこむらあがりで筋緊張している足を殴りつける夜が続き精神的にも肉体的にも病気に支配されている毎日でした。
「このまま生きていてこんな痛みや苦しみがあるならいっそ楽になりたい・・・」
いつしかそう思うようになりました。
しかし母であり妻であり嫁であり仕事をしている一社会人である昼間の自分は、無理してでも周りに笑顔を作っていました。
その当時は現実を受け入れることができず、病気を恨み今の自分を悲観し将来への不安が募ってきていました。
しかし病気のことを知られることへの恐怖から痛みの苦しみを誰にも言わず隠していたので、今から思うとこの時期が一番つらい時期でした。
そんな中、浦上大輔さん(現・日本ペップトーク普及協会専務理事)から連絡がありました。
浦上さんは、「1、「絶望」から「再び生きる」~ペップトークとの出会い~」の中で紹介した「1通のメール」を私にくださった方で、私とペップトークを結びつけてくれて生きる希望を与えてくださった「恩人」です。
浦上さんは、メールの最後に書いてくださった「岩崎さんの講演会を鳥取で開催する」と
いう約束を本当に実現してくださったのです。
岩崎 由純先生はペップトークの第一人者として全国で講演をされているほか、アスレッティックトレーナーとして、ストレッチポールの普及やテーピングの指導などで多忙な日々を送っておられる中鳥取県に来てくださいました。
初めて岩崎先生のペップトーク講演を聴いた時とにかく涙が止まりませんでした。
特に岩崎先生の講演の中で紹介された、夏季・冬季パラリンピックでメダルを取った車椅子アスリートの土田和歌子さんが語った「今の私になにがあるか?」という言葉に魂が震えたのを覚えています。
今の私にはなにがあるのか・・・
病気のために動けなくなる恐怖や痛みから今できることから逃げている・・・
もし動けなくなっても言葉の力で誰かのためになにかできるかもしれない・・・
「誰かの言葉で魂が震える」という感覚を、生まれて初めて経験したのです。
続く